ご好評いただいている災害ボランティアセンター運営研修のためのカードゲームが、このたび皆さまにお届けできるようになりました。
あなたは、地震と洪水が発生した被災地の災害ボランティアセンターの運営スタッフ。
発災時から時期ごとに、実際にどんな事が被災地で起こりうるのか?
被災者のあらゆるニーズに対して、多様なボランティアをどのようにマッチングしていけばいいのか?
次々と起こるハプニングも乗り越えながら
災害支援活動を進めていきましょう!
ゲームのねらい
災害を受けた被災地では、社会福祉協議会を中心に「災害ボランティアセンター(災害VC)」が設置され、被災者支援が行われることが定着しました。
運営者が被災者の困りごとをきちんと把握し、次々と集まるボランティアを適材適所につなぐマッチングのポイントやフェーズ(時期)ごとの変化を想定し理解するため、シミュレーションを通して学びます。
運営の三原則である「被災者中心」「地元主体」「協働」を体現する災害ボランティアセンターのあり方について考えを深めます。
学びかた
「進行役」「タイムキーパー」「コーディネーター」「スタッフ」を決めます。
被災地でよせられるニーズ内容が書かれたカードを読み上げます。グループワークやディスカッションが円滑に進むように、調整をしながらゲームを進めていく人です。
ゲームがスムーズに進行するよう、時間を管理します。また、途中で発生するハプニングをグループに共有する役目も担います。
災害ボランティアセンターのコーディネートを担い、最終決定権を持っています。難しい判断の最終決定をゆだねられます。
進行役・コーディネーター以外の人です。センター職員、住民ボランティア、民間支援団体職員などが想定されます。
ボランティアカードを広げます。
カードに書かれた各ボランティアの特徴をつかみます。
こんなボランティアたちがいます
- 駅前地区在住。
- ボランティアは初めて。
- 災害対応の勉強や訓練はしている。
- 大学生。
- 留学経験もあり英語も得意。
- 災害支援ではないが、ボランティア経験はある。
- 川東地区在住。
- ボランティアは初めて。
- 丘の上地区在住。
- 高校生。
- 友達2人と参加。
- ボランティアは初めて。
- 西地区の鳶(とび)職。
- ボランティアは初めて。
各ニーズカードを読み上げ、3分以内にボランティアをマッチングします。
被災地では、想像もしないような出来事が次から次へと起こります。タイムキーパーがハプニングカードを読み上げたら対応します。
多様なボランティアと協働して、被災住民の個別の困りごとに、臨機応変に対応できているか、チームで話合いながら考えてみましょう。
ゲームのおもしろさ
大切だとわかっていても、なかなか実行に移すことができない。災害への備えも、そのひとつだと思います。毎年、被災地で「まさか、この町が」と耳にするたびにそう実感してきました。
「災害現場の姿をリアルに想像して対策を考える」仕事や自分の役割であれば、真剣に取り組むはずです。災害VC運営の担当者であれば、「被災者中心」「地元主体」「協働」という三原則の意味を考える機会もあるかもしれません。ただ、災害VCの運営はその人だけではなくチームで担うものです。突然の被災でいざ災害VCが始まってしまうと、目の前の出来事への対処が優先され、改めてチームで話し合う余裕もなくなってしまいます。
ゲームづくりは、そんな災害VC担当者の悩みを聞いたことがきっかけでした。カードの内容は、実際に経験したハプニングや好事例がもとになっています。登場人物や起こる事柄の変化を感じられるよう、3つのフェーズ(時期)を準備しました。性別や年齢、経験値の違いがあるからこそ、いいアイディアが出やすい仕掛けもあります。もちろんゲームなので、少しだけ遊び心も盛り込みました。どんなチームで、どんな役割に分けるのか。ほかのチームはどんな答えを導き出したのか。ゲームの準備から振り返りまで、楽しく、でも真剣にプレーしてもらえれば幸いです。