登ったど~!日本一高い 富士山へ  同行スタッフの日記より

7月21日~23日、福島の子どもたちの保養として計画した富士登山が行われました。今日のブログは、頂上まで同行したスタッフの武田くんによる日記レポートです。

 

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「NPO法人HAT-J(日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト)主催 復興をめざす東北の高校生の富士登山~登ろう!日本一高い富士山へ~」は、同NPOの代表で福島出身の女性登山家・田部井淳子さんのアイデアで始まりました。

今回のプロジェクトは、「当初40人の中高生たちと一緒に富士登山をする」というもの。中学生の参加は部活動や体力的な問題もあり、途中から高校生に絞っての募集でしたが、最終的にたくさんの参加希望をいただき、参加した高校生はなんと総勢89名!

福島を中心に東北の高校生60名と、富士山の地元山梨の高校生29名が、平均1チーム10人の全10班に分かれ、お互いの交流も図れるように、福島 7名・山梨3名の割合でチームになりました。当日参加した各チームにはリーダー(富士登山のベテラン)とサブリーダーが同行、7月21日~23日の3日間 のプログラムでした。僕(武田)自身も、4班のサブリーダーとして参加しました。

 

●7月21日(土) 富士山ふもとの宿泊施設に到着

 

体育館で全体会が行われ、田部井さん、HAT-J東北応援プロジェクトの代表・神崎さんからのご挨拶があり、その後、登山装備の貸出しと、チームごとに分かれてのオリエンテーションを行いました。

 

翌日の宿泊所出発は、朝3時!晩ご飯を食べて、この日は早めの就寝。晩ご飯の配膳は自分で行うルールですが、高校生たちが協力して全員分配ってくれました。


高校生にとっては修学旅行のようなもの?さっそく友達ができていたようです。

 

●7月22日(日) 富士登山当日

まだ日が登る前の暗い中、再度注意事項と当日の流れを確認。
その後、バスに乗り込み富士山5合目に移動します。バスの中で朝ごはんのおにぎりを食べて腹ごしらえ。5合目に着いたのは朝5時。ようやく周りも明るくなっています。

山梨の高校生はここで合流し、ついにチームメンバー全員が揃いました。

 


全員が揃ったところで、無事に登頂できるよう高校生代表からは登頂宣言!

 


ついに登山出発です!

5合目付近は、霧が深く少し視界が狭い状態。しかし、少し歩くと暑さが襲ってきます。焦らず、リーダーのペースに合わせて確実に進んでいきます。

 

6合目に近づくと、雨がぱらついてきました。気温は10度弱。少し休憩しただけで、体温がぐっと下がります。

 

さらに雨が強くなりそうな空模様、雨具を羽織って再出発です。

7~8合目間は、距離が長く、雨の中を進む内に、少しずつバテてくる子も。

 

しかし、さすが現役の高校生。まだ元気はありそうです。

 

8合目~9合目こちらも距離が長い!7合目以降は足場も悪く、ごつごつした岩の上を通ることが多いのですが・・・この辺りから、さらに足場が悪くなります。
さすがに疲れてきたのか、口数が減ってきました。相変わらず天気も悪く、体力の消耗も激しい様子。あと少し、踏ん張って1歩1歩進んで行きます。

 

 

そして、ようやく頂上へ!!

頂上の碑の前で記念写真。
あいにくの雨模様ですが、登頂した喜びで思わず笑顔がこぼれます。
登頂した時間は、12時近く!朝の5時半に出発して、6時間半をかけて歩き続けた先にようやくたどり着いた頂上!嬉しさを噛み締めます。

 


全員雨に打たれてびしょびしょ。頂上で休憩している間、さすがに疲れてぐったりしている子も。

 

みんな、本当によく頑張りました!
僕たち4班はお鉢めぐりはパスして、頂上で30分の休憩後に下山開始!くだりは3時間程度で5合目まで戻ってきました。そのまま温泉へ向かい、体の疲れと汚れを落とします。

他のチームも下山して報告を聞くと、雨の中の登山だったにも関わらず、なんと参加した高校生全員が登頂に成功とのこと!!すごい!!
みなさんの応援と、高校生達のがんばりの成果ですね。

 

登山、入浴が終わると、地元の富士吉田高校にて交流会と食事会。NHKのニュースを見ると、なんと先ほどの富士登山の様子が早速放送されていまし た。交流会では合唱団から詩のプレゼント、食事会は地元の名物吉田うどん。美味しい料理を一緒に囲みながら、日本一の山に登った仲間同士、すっかり仲良く なっていました。

交流会、食事会が終わると、宿泊所に戻り就寝です。登山後の夜にも関わらず、新しくできた友達同士、話が尽きない夜になりました。

 

●7月23日(月) 忍野八海観光

7時から朝ごはんをみんなで食べて、忍野八海を観光して帰路に向かいます。

 

別れを惜しみながら、みんなお土産を買ったり、友達と一緒におしゃべりを楽しんだり。

今回の富士登山に参加した高校生たちの中には、実家から避難していてずっと会えなかった友達に、1年ぶりに再会することができた子もいました。そし て、何より新しい友達ができたことが今回の一番の収穫だったのではないでしょうか。一人ではつらいことも、誰かと一緒なら乗り越えられます。

そんなかけがえのない仲間を作ることができて、そして日本一の富士山を登りきることで、自分に自信を持つきっかけにもなったと思います。充実した3 日間だったと実感しています。HAT-Jの皆さんをはじめ、たくさんのスタッフやボランティアが関わって実現したプロジェクト、本当にお疲れさまでした。

 

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皆様からのご協力のおけげで、「山」のプロジェクトが無事終了しました。

次は「海」。
来週には、「福島×ベネズエラ×ロサンゼルス音楽交流プログラム」に向けて、福島の高校生たちが日本を出発します。こちらも、成長して帰ってきた高校生たちの姿を見るのが楽しみですね。