FISH – お魚回収プロジェクト

日々、町の泥かきに汗を流すピースボート・クリーンアップチームですが、中でも短期集中の強力なプロジェクトが実施されました。その名も「FISH・お魚回収プロジェクト」!!

港から1kmほどの住宅地、伊原津。津波はこの町をも襲い、建物の一階がほぼ浸るほどの被害。水が引いた後も、町には瓦礫の山とヘドロが残りました。

さらにこの地区は、港近くの魚加工工場が津波で流され、その中にあった大量の魚が町中に流入してしまったために、あちこちに魚が散乱した状態が1ヶ月以上続きました。町を漂う腐敗した匂い。虫が沸き、衛生状態も非常に悪い状況です。

この地域に泥かき作業に入っていた他団体さんからの応援要請をきっかけに、伊原津一丁目・二丁目から魚を取り除こう!と始まったこのお魚回収プロジェクト。5月2,3日の2日間で一斉清掃を展開しました。

初日60名、2日目30名で行ったこの作業。ひたすら魚を見つける→スコップで土嚢袋に詰める→瓦礫を片付ける、の繰り返し。かなりの広範囲ですが、やる気に燃えるメンバーはどんどんと作業を進めていきます。

ついに2日間の任務完了!集めた魚とヘドロの量はなんと、2tトラック×9台分!
合計18tになりました。

お魚回収プロジェクトのリーダーを務めたボランティアの左座進介さん(現地派遣2回目)。彼自身もメンバーたちも、初日は想像を超える腐敗臭に衝撃を受け たそうです。そんな中、作業を進めるモチベーションとなったものは何だったのでしょうか。左座さんに聞きました。

「地元の方々がそこで生活をしている姿を見たからだと思います。僕たちはたったの数日間。でも地元の皆さんは津波の後、今日までずっとこの匂いの中で暮らしている。だからメンバーはみんな少しでも早く何とかしたい!と思って、猛スピードで作業しましたよ。」

「初日の作業終了後、メンバー60人に聞いたんです。『明日は残りの作業を30人でやります。明日もここで作業を続けられる方は手を挙げてください』っ て。これだけ大変な作業、普通あんまりやりたがらないだろうなって思いますよね?それが、ぱっと手が挙がって翌日の30人はすぐ決まっちゃったんです よ。」

インタビューのため、作業中の現場に10分ほどしかいなかった私の身体にも匂いは付き、それは移動の車のシートにも染み付くほどの強さ。正直、丸一日堪えられたかどうか。。。そんな中、2日目の作業に立候補したメンバーたちに頭が下がる思いでした。

最後に左座さんの言葉。

「作業が完了した後に、町内会長さんに挨拶に行きました。噂を聞きつけた他の町の人たちに、羨ましがられてるって嬉しそうにおっしゃってましたよ。地元の方にそうやって喜んでもらえると、僕らもほんっと嬉しいですね。」