災害ボランティア インタビュー Vol.3

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「やっぱり、子どもさんが喜んでくれるのは、いいねぇ。」──と語る伊藤明善(いとうあきよし)さん。4/23-5/7 石巻でのボランティアに参加

「私はね、洋食の料理人なんですよ。フレンチ系のね。得意料理?ギョーザです(笑)」
笑顔が弾ける伊藤さん。語り口のはきはきとした、元気なお父さんだ。

「実は昔、仙台と大船渡で仕事をしていたんですよ。だから石巻にもよく来てました。」

石巻・登米・大船渡にそれぞれいた知人とは、震災後1週間以上連絡が取れなかった。
気が気じゃなかった。仕事でお世話になっていたという大船渡の知人は、残念ながら帰らぬ人となった・・・。

震災支援で現地入りすることはすぐに考えた。
が、個人ボランティアを受け入れてくれるところがなかなか見つからない。
やっとテレビを見ていてピースボートの存在を知り、すぐに電話をかけたという。

「ちょうど、次の仕事を探しているタイミングだったんで、すぐに来ることを決意しました。でも、仕事をしていたとしても、来てたかもしれないなぁ。」

4/23から、石巻入りし、泥だしの作業で入った担当地域は立町。かつて東北で仕事をしていたときに、よくお酒を飲みに行っていた所だ。町の様子が全然違うことにショックを受けた。言葉が出なかった。

そんな中でも開店しようと準備をしている店の人たちを見て、感動したという。
「2日間泥だしをした宝石店で、作業が終わったときにチーム全員プレゼントをもらいました。『ありがとうございます』と書かれた短冊と、男性へは翡翠、女性へは珊瑚の根付け。自分たちの仕事が喜んでもらえた、というのが何より嬉しかったですね。」

泥かきをしていると、地元の人と話す機会が多い。津波が来て、九死に一生を得た話も聞かせてもらった。「話したから少しすっきりした」と言って貰ったこともある。

自分たちが思っている以上に、仕事をしている姿を見られていると感じている。

「道路の泥かきをやっていたとき、昼休憩になったんですよね。そしたらその瞬間に、近所のそば屋のご主人が来て『ちょっとお茶飲んで行きなさい』ってお店 の中に入れてくれて。泥だらけだから遠慮したんだけど、『いいから』って。そしたら、なんとお蕎麦まで出してくれたんですよ。『うちの自慢のカレーそば、 食って行ってよ』って。そのお店を掃除したわけでもないのに。ずっと僕らが泥かきしているのをじっと見ててくれてたんですよね。」

だからこそ、チームメンバーに気持ちよく仕事をしてもらえるようにリーダーとして気を使うという。

「地元の方に、ボランティアスタッフが嫌々働いているような姿は絶対に見せたくないですよ。みんなで心をこめて仕事ができるように、段取りなんかはなるべくスムーズに行くように気をつけます。」

Q:「全体的に若者が多いボランティア、年齢の開きは気にならないですか?」
A:「全然平気ですよ。仕事柄、若い人たちと仕事やるのは慣れているしね。むしろ、同年代には『若いやつらに任せてらんないよー。むしろ俺らが引っ張って行かなきゃ!』って言いたいですよ。」

5月6日、伊藤さん達のチームがゴールデンウィーク中に作業を清掃をしていた水明保育所が入園式を迎えた。瓦礫とごみ、ヘドロだらけだった保育所の庭は、子どもたちの歓声であふれていた。

「やっぱり、子どもさんが喜んでくれるのは、いいねぇ。」

子ども達がはしゃぐ姿を、ちょっと涙ぐみ、くしゃくしゃになった笑顔で見守る伊藤さんの姿がありました。