【台風12号・和歌山】 活動レポート

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和歌山県新宮市熊野川町で活躍中の、ボランティアメンバーの活動の様子をレポートします。

 

 

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大規模な氾濫を起こした熊野川。広いところで川幅は100m以上。こんな大きな川が溢れた事実に、ボランティアは口を揃えて「想像できない」と言います。

 

まずは、写真で町の被害状況をご覧ください。

 

 

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町の中心部の商店。2階建ての屋根まで水に浸かってしまいました。

 

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災害発生時から手が付けられていないままの押し流された瓦礫とタンクローリー。

 

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山積みにされた瓦礫。このような山が町中に何ヵ所もありました。

 

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根元から折れて倒れかけている電柱。木には家庭用のガスタンクが引っかかっています。

 

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至る所の側溝がこのように泥で埋まってしまっています。

 

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溢れかえった水の影響で崩れた道路。町全体のほとんどの道路が山間部や川沿いにあるため、このような浸食や崖崩れで通行止めになったままの道もまだまだあります。

 

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高台になっている場所から。写真奥の山の手前が川なんですが、一帯が湖のようになったことでこれだけ距離があっても写っている建物は全て2階まで水没したそうです。

 

 

ここからは、ボランティアメンバーの奮闘ぶりをどうぞ!
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自動車整備工場の泥かきの様子。

 

石巻ではこのような泥かき作業などの清掃活動をおこなうチームを「クリーン」と呼んでいますが、こちら和歌山では「サンドバスターズ」となっています。 洪水によって運ばれて家屋の中に積もった土砂が、時間の経過とともに乾いて砂の状態になっていたというのが由来なんですが、ここのように日の当たりにくい場所だと大量に水分を含んだ重い泥状のままになっています。

 

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そういう状況でもメンバーの頑張りによって・・・

 

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こんなにまでキレイになりました!

このあと仕上げ作業もおこない、この場所の依頼者である森岡さんにも大変喜んでいただきました。 3日間に渡っての作業、みんな本当にお疲れさまでした!!

 

 

続いて、別の作業場所。

 

 

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今度はこちらのお宅での家財道具の運び出し作業です。

 

この場所も川沿いとはいえ数十メートルの距離があり、さらには道路から階段を3mほど上がったところに玄関があるんですが、それでも2階部分にまで水がきたんだそうです。
依頼者は植(うえ)さんという89歳の年配男性で、その娘さんも手伝いに来ていらっしゃいました。作業風景の写真撮影について伺ったところ、「是非撮ってください。被害の大きさがなかなか外に伝わっておらず、こんなにも大変な状況なんだということをたくさんの人に知ってもらいたいんです。」と切実に訴えられていました。

 

 

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運び出した家財道具は、この日だけで2m×5mほどのブルーシートに高さ2mになるほどの量でした。写真左奥が川です。

 

 

もう一つのチーム、社協サポートメンバーの活動も紹介します。

 

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オレンジのビブスを来ているのがピースボートのボランティアメンバー。

 

ここは熊野川町で活動する全てのボランティアの拠点となっている熊野川ドーム。個人や団体で訪れるボランティアに対して、登録受付やニーズとのマッチング、作業に必要な資材の貸出などをおこなっています。運営するのは地元の社協(社会福祉協議会)さんですが、そのサポートとしてピースボートでは資材の貸し出しを担当しています。
多い日では一日に20団体ほどが活動に参加するため、出発前の朝の時間帯は大変な忙しさになります。落ち着いたお昼過ぎの時間にメンバーの一人にインタビューをすることができました。

 

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西山雄基くん。21歳の大学生です。

 

Q:
災害ボランティアは今回が初めてですか?

西山くん:
第1陣として3月から石巻で活動していました。まだ道路が瓦礫の山だったり崩れたりしていてカーナビ通りには着けなかった頃です。

 

Q:
今回ピースボートの和歌山での活動を知ったきっかけは?

西山くん:
石巻で知り合ったタカさん(鈴木隆之=現和歌山コーディネーター)のブログやツイッターを、ボランティア仲間を通して知りました。

 

Q:
初めてこの和歌山・熊野川町の被害状況を見ていかがでしたか?

西山くん:
あまりテレビなどで報道される機会が少なくて、床上浸水ぐらいの被害が多いのかなと思っていました。実際に来て、とても住めるような状態ではなくなってしまった家とかを見て驚いたしショックでした。被害状況を東日本大震災と比べるのは嫌なんですが、こちらもとても大変な状況であることは間違いありません。

 

Q:
こちらにはいつから来てどのような活動をしていますか?

西山くん:
9月18日からで、作業に使用する資材や届けられた物資の管理などをしています。社協の方と協力して、その仕組み作りにも関わってきました。クリーン活動にも1度参加しています。

 

Q:
こちらでの活動に関わっての想いと、これからボランティアに関わりたいと思っている方にメッセージをお願いします。

西山くん:
震災にあった東北とは違って、ボランティアの必要性が外部に伝わっていないのかなという印象があります。足りない、欲しいという物資がなかなか来ないという現状もあります。家が流されたり住めないような状況で、普段僕たちがあたり前に思っている水や食糧にも困っている人がたくさんいることを知ってほしい。現地に来ることが難しくても、この事実を知ったらそれを伝えてほしいと思います。

 

 

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被災された住民の方にもお話を伺うことができました。

 

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玉置利一(たまき としかず)さん、利枝(よしえ)さんご夫妻。右はコーディネーターの鈴木隆之。

 

Q:
当時はどのような状況だったのでしょうか?

利一さん:
とにかく台風12号でものすごい量の雨が降り続いていました。夕暮れ時はまだ大丈夫だったが、日が暮れてから息子に連れられて高台の小屋に逃げました。それでもさらに水位が上がったので山に逃げました。明治22年の水害で2階の屋根に船が引っかかったという話は父や母から聞いていましたが、とても現実には想像できませんでした。

 

Q:
今の想いや伝えたいことがあれば教えてください。

利一さん:
東北のことでボランティアの人たちの力は知っていたが、まさか自分たちがお世話になるとは思わなかったというのが正直な心境です。自衛隊や警察は仕事だけど、そういう意味ではボランティアの皆さんの存在は本当にありがたいと思っています。ご先祖から百数十年住んでいた家が2階の屋根まで水に浸かり、タンスや畳もグチャグチャな状況ですが、ボランティアの方々が来ていなかったら全く片付けができていなかった。車が流されたし郵便局も動いていなくてお金も下ろせません。こんな状況ですけど風光明媚で美しい自然に囲まれた土地だったんですよ。もっとこの町の状況を全国の人に知ってほしいです。

 

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住民の方々にお話を聞く度に、今のこの状況を伝えてほしいと繰り返し言われます。被害の状況に比べて明らかにマンパワーが足りていない状態です。
自動車修理工場での作業を取材している時、道を挟んだ向かいから「ねこ(作業用一輪車)の免許は持ってないからゴメンねぇ」という声が聞こえてきました。振り返ると、食堂の泥かき作業をしていた方々の中の60~70代の住民女性が慣れない様子で泥を運んでいるところでした。高齢者がほとんどという町では、今でもあちこちでこんな光景が見受けられます。

東北の被災地ももちろんですが、是非、こちらにも一人でも多くのボランティアの皆さんが駆けつけてくれることを願っています。よろしくお願いします!

 

◎ 和歌山県熊野川町へのボランティア募集は コチラ

 

 

All photos by Mitsutoshi Nakamura