インターナショナルボランティアを受け入れる意味(後半)

前回に引き続き、インターナショナルボランティアについて、担当スタッフの内藤ユキにインタビューしました。

通訳をする内藤ユキ右端 
通訳をする内藤ユキ右端

Q:ボランティアは現場でどんな作業をしているんですか?

A:基本的には日本人と変わらない仕事です。これまではメインで瓦礫の撤去、泥出しなどの清掃作業を行ってきました。散乱した魚の片付け、物資の配布なども行います。言葉も通じないし、文化的にも違いはある。体力的にも大変だけれど、彼らのモチベーションはものすごく高いものがあります。そしてその熱い気持ちが通じて、片言で日本人とコミュニケーションができるようになってきます。

スリランカチームは音楽でも盛り上げてくれた photo:中村充利
スリランカチームは音楽でも盛り上げてくれた photo:中村充利

Q:被災地では彼らの存在はどのように受け止められていますか?

A:外国人がチームを組んで清掃したりしているので、いろんな意味で目立ちますね。被災地の方も外国人自体に慣れていないので、最初は驚かれる方もいます。あとよくあるのが、外国人はみんなアメリカ人だと誤解されたりすることも多いです。

でも、彼らが泥出しや炊き出しを一生懸命やっている姿を見ると、ものすごく感謝して被災者の方から声をかけてくれるんです。

「日本人じゃないのにわざわざ来てくれてありがとう」、とか「困った時はみんな同じだね」とか言われます。「自分は海外で何かあっても助けに行こうと思ったことないけど、飛んできてくれた彼らの気持ちに感動しますね」と涙ながらに語ってくれる方もいました。

一方で、インターナショナルボランティアの側にとっても、被災地での出会いはとても貴重なものになっています。これまでニュースを通じて、ただ日本の悲惨な情報を知る機会しかなかったけれど、泥出しなどの作業を通じて、被災者一人ひとりの生活や思い出を取り戻すことにつながっていることを実感したという人が多いようです。だから、大変だけれどもリピーターとして再びボランティアに行く人もいます。1回しか行けない人でも、みんな自分の体験を周りの人に伝えていきたいと言っています。

photo:中村充利
photo:中村充利

Q:インターナショナルボランティアを受け入れる意義について教えてください

A:普段ピースボートが船を出して、いろいろな地域を訪れて国際交流している理由と同じすね。直接人と人とが出会うことから、つながることや支えあいが生まれてくるものだと思っています。

今回も、日本語ができないからと断ってしまうのではなく、どうしたらその思いを受け入れられるのかを工夫すれば、大きな力になることを実感しました。被災地に行ってみると、実は日本で思われているほど言葉の違いは壁にならないことがわかります。気持ちと体力がそれなりにあれば、誰でも役に立つ仕事ができるんです。

Q:これからどんなことをやっていく予定でしょうか?

A:海外のメディアは原発事故に関する報道ばかりなので、被災地の実情が外国になかなか伝わっていないという現実があります。ピースボートの震災支援のホームページは英語版http://peaceboat.jp/relief/もありますので、これからも積極的に情報発信を続けていきたいと思います。インターナショナルボランティアの力もまだまだ必要ですから。