進め、我らがダニバスターズ!! 避難所清掃チームのご紹介

本日の現場レポートは、「ダニバスターズ」と呼ばれる避難所清掃チームをご紹介!

実はこの「ダニバスターズ」の活動は、梅雨の始まる6月からスタートしていましたが、なかなかご紹介する機会がなく、今日まで伸びてしまいました。
さて、このチームは何をやっているかというと、現在も石巻市内に60カ所以上存在する避難所において、その名の通り「ダニ」を駆除しているのですが、 始めてから2ヶ月の間に驚くべき進化を遂げ、今では専門業者もビックリの作業内容となっています。

「ダニバスターズ」が発足したきっかけは、梅雨の時期を迎える6月初め、市や赤十字から避難所においてダニやカビが発生し衛生状態の悪化が懸念される、との報告がありました。それを受けて石巻災害復興支援協議会に所属するピースボートを含めた数団体で対策チームを組織。
対策チームは、医療支援などを行う専門家集団や、避難所でのニーズ調査を行っている団体など、組織の垣根を越えて集まりました。

まずは、医療チームが中心となり、避難所の状態を把握するため調査シートを作成。それを使って避難所を周り、聞き取りを行って環境調査を行いました。
その結果から、避難所の状態別に優先順位を付け、ダニバスターズ発足から2週間ほど過ぎた6月13日より作業を開始しています。
ダニバスターズの主な作業内容は、「布団乾燥」「避難所内徹底清掃」「新品布団の配布/取り替え」などです。

それでは、早速写真と共に 作業風景をご覧頂きましょう。
まずは、現場に到着し作業内容の説明。「避難所」と一括りにしてしまいがちですが、そこは仮とはいえ「お家」です。失礼のないように、不愉快な思いを抱かせないようにしっかりと説明をした上でお邪魔させてもらいます。

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避難所には事前に連絡を入れ、作業の許可を頂いてからお邪魔します。
中に入り、皆さんに挨拶をすませた後は、テキパキと作業指示を出して動き出します。

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ここでの作業は、大きく分けると二つ。
「布団回収」と「掃除」です。事前の確認で清掃の要不要を把握しているので、該当するお宅には「細かいものはまとめておいてくださいね」とお願いをしています。お掃除部隊は段ボールに詰められた個人荷物を丁寧に移動させながら、掃除を開始します。
床に敷いてあるシートも、医療用アルコールスプレー、 塩素スプレー、医療用アルコールウェットティッシュなどを使いながら徹底的に奇麗にして行きます。

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こんな風に、人の生活スペースは徹底的に奇麗にしていきますが、その内容は各避難所によってバラバラです。それぞれの状態によって、個人スペースのみの場所もあれば、個人スペースを除いた共用部分だけお願いしますというところもあります。
そういうときは、住民の方だけでは出来ないような場所を優先的に清掃するよう心がけています。
その場のニーズに合わせて対応できるのも、ダニバスターズの強み。
それは、ゴリ押しして進めることではなく現場のニーズに合わせながら進めることを知っているリーダーたちの経験からの判断です 。避難所ごとに雰囲気や空気感も違います。そして、その時の状況によっても応対は変わってきます。それをしっかり読み取って対応して行く必要があることを、これまで携わってきた経験から判断できるようになりました。「今のタイミングじゃなく、次にしよう」という判断も時には大切です。
さて、続いてはお布団回収の作業を見てみましょう。
まずは布団を回収して行きますが、誰のものか分からなくならないよう、事前に各人のお名前をラベルに書いて布団に貼っておいてもらいます。
これを回収し、アルコール消毒済みのシートの上に運びます。
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そして、その上に一枚ずつ布団を広げ掃除機で埃やゴミを吸い取ります。
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掃除機で粗方のゴミを吸い取ってから、ダニ駆除のスプレーを布団にかけます。これで、布団清掃の第一段階は完了。
この流れを布団や毛布、ブランケットなど一枚ずつ繰り返します。そして、一枚終わるごとに、下に敷いてあるシートもアルコールスプレーで除菌をしながら行います。
そして、この段で汚れがあまりにもひどいものなどは、新品と交換していきます。
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第一段階の清掃と除菌を完了した布団は、外へ運び出されて行きます。
そう、ついに秘密兵器の登場です。
掃除機での清掃とスプレーの除菌だけなら、言ってみれば誰でも出来る作業。
しかーし、僕らには素敵な秘密兵器があるのです。

それが、コレっ! ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

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じゃんっ!!!

これ、なんだか分かりますか!?分かった人は、過去にダニバスターズで石巻に来ていた人くらいでしょう。
じ、つ、は、これ、「布団乾燥車」なんです!
ダニバスターズが始まった当初は、一般家庭用のいわゆる「布団乾燥機」を使っていましたが、時間が限られている中、たくさんの人数が居る避難所での作業となると、とっても効率が悪かったし、電源の確保も大変でした。
そこで、みんなで頭をひねって考えだしたのがコレ。4tのアルミ箱車を使って、布団乾燥を行っています。

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布団乾燥車後部、パワーゲートの上に乗っているのは、ジェットヒーターと呼ばれ冬場の工場や工事現場などで用いられる大型のヒーターで、温風を発生させることが出来ます。
扇風機から温風が出ると想像してもらえればいいです。
そして、この箱の中はどうなっているかというと、

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熱が逃げないよう、断熱シートをはり、上部には布団を掛けられるよう、突っ張り棒が並んでいます。この布団乾燥車では、一度に30枚程度の布団を一時間程度で乾燥させることが出来ます。車内の温度は約70℃。ここで乾燥除菌された布団は、最後にもう一度掃除機を掛けてダニの死骸などを除去してからの返却となります。
返却の際、気温や湿度などの条件にもよりますが、お預かりしたときよりも2倍くらいのサイズでフカフカになって返っていくこともあります。

自作した布団乾燥車両は2台あり、2つの現場に分かれて作業を行っています。6月末にこの車両が導入されてからは格段に作業効率が上がり、6月から始まったダニバスターズの活動も7月末には1巡を終え、8月初旬には隣町女川町の避難所への出張清掃も行いました。今では石巻市の避難所の2巡目に入っています。
ピースボートのチームとしてはこれまでに、およそ60カ所ある避難所のうち42カ所を完了。これからも作業は続け、9月中には2巡目を終了したいと考えています。

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こんな風に布団を乾燥している間にもどんどん作業は進み、そろそろ小休止でもと手を止めて休憩の準備に入ろうとしたところ、避難所の方々から「一緒にお茶でもどう?」と声を掛けて頂き、みんなで一緒にお茶することに。

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この避難所は2巡目ということもあり、フレンドリーに迎え入れてくれました。ここからは、団らんの様子をご覧頂きます。上の写真でピースをしているお父さんは、撮影している僕を「知ってる人に似てんだよな。なんだか親近感湧いちゃうなー」と魚肉ソーセージとお茶をくれました。どこにでも居る顔のお陰で得しちゃいました(笑)。ごちそうさまでした!

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みんなで楽しく過ごすひととき。

もちろん全ての避難所でこんな風景が見られる訳ではありません。でも、避難所生活が長引き、メディアなどからも被災地の現状が少なくなって行くなか、ダニバスターズという作業を通して被災者の方々と接することは、単に「お掃除」の枠には収まらない効果が、もしかしたらあるのかもしれません。
「心のケア」「被災者に寄り添って」という言葉もありますが、少なくとも僕らはその道のプロではありません。だから専門的なことは出来ないし、心の深い部分に手を触れることはしません。
けれど、作業を通じてお話をすることや、時には「手伝うよ!」と言って共に汗を流すことから生まれる交流はとても気持ちのいい時間です。

そんな時間を大切にしながら作業を続けて行き、 願わくば一日でも早く、全ての避難所生活者や被災者の方々が生活を取り戻せる日が来て、喜ばしい避難所の解散式が出来るようにしたいですね。

 

最後の写真は、発足当初からピースボートの「ダニバスターズチーム」を引っ張るリーダーの二人。
遠藤聡くんと大塩さやかさん。二人ともゴールデンウィーク前くらいからずっとボランティアとして滞在し続けてくれています。

この二人がいなければ今のダニバスターズは存在しません。毎日の働き、本当に頭が下がります。
いつもお疲れさま!これからもよろしくね!!

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ALL PHOTOS BY ©Yoshinori Ueno